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 《彫刻ビエンナーレ審査結果のお知らせ》
「第1回 海の見える杜美術館・彫刻ビエンナーレ」では、多数のご応募を頂きました。皆さま、誠にありがとうございました。
応募総数40件の作品から厳正な審査の結果、優秀賞を以下の作品に決定いたしましたのでここに発表いたします。また 、奨励賞につきましては、決定次第お知らせいたします。
受賞作品
大 賞: 該当作品なし
優秀賞:
作品名/ 「間」〜MA
作 者/ 吉田 利雄
制作意図/ 『一つの作品を通して、人と人、人と自然、作品と人、作品と自然、等のさまざまな関係性を想像できる作品を作りたいと思い、制作しました。』
サイズ/ 高さ 200cm    幅 180×100cm   重さ 約2000kg
材 質/ セラミックとコンクリート・鉄筋構造
※写真は試作品です。
審査経過について
 応募作品の審査は、最初に審査員全員で「杜の遊歩道」を歩いたのち、応募作品のマケットが並んだ部屋で始めました。
 まず全応募作品の完成時の寸法を読み上げたうえで、それら37名の応募作品および添付書類を各々の審査員が時間をかけて見て回り、1人がそれぞれ3作品を選んで投票しました。投票の結果は、7名の審査員が3票ずつで、計17作品に票が入りました(うち4作品が2票を獲得)。
 この結果を受けて、審査員の間で今回のコンクールの主旨である「新人彫刻家の発掘、援助」、およびテーマの「『杜の遊歩道』にふさわしい心落ち着くもの」という2項目を確認し、残った17作品について、改めて1人2票ずつで投票することとなりました。その結果、11作品が選考に残りました(うち3作品が2票を獲得)。
 このように、2回の投票を経てもなかなか作品を絞り込むことが出来ませんでした。そのため再び「新人彫刻家の発掘」というコンクールの原点に立ち戻り、そこから明地信之、稲垣謙助、鈴木典生、横山大観、吉田利雄各氏の5作品を選び出しました。しかしこの時点で大賞に該当する作品は見あたらないということで審査員の意見が一致し、優秀賞の選考を進めることとなりました。
 優秀賞の選考では、それぞれの作品の造形性の質の高さ、独創性、また完成作品を屋外に展示した際の安全性の問題など、様々な視点から活発な意見が交わされ、絞り込みが行われました。そして最後に吉田利雄氏の《「間」〜MA》が、作品の内部構造について再検討してもらうという条件付きで、全員一致で優秀賞に推されました。
 それは陶で作られた、ぬくもりのある質感の作品です。立ち姿とかがむ姿勢の2人の人物を思わせる立体が組み合わされ、ゆったりした一体感をかたち作っています。
かがむ人物の両腕にあたる部分の間に大きな穴が開いていて、もしかしたらそこは遊歩道を訪れた子どもたちの遊び場になるかもしれません。

 以上のように、今回の審査は飛び抜けた作品が見あたらず、審査員それぞれの評価もなかなかまとまりにくいことになりました。
 このことは、1つには審査のはじめに見て回った、「杜の遊歩道」の空間にぴったりくる作品がなかったから、逆にいえばどのような空間にも展示可能な作品ばかりだったからともいえるでしょう。実際、「杜の遊歩道」に足を運んで作品を構想された応募者はごく少数であったように思われます。
 これはコンクールの募集開始から応募締切までの期間が短かったため、致し方なかったことでもあります。ですから、来年開催される次回のビエンナーレに応募される方々には、ぜひあらかじめご自分の足で遊歩道を歩かれて、作品を構想していただければと願っております。遊歩道はまだまだ整備途上の空間ですが、傾斜や起伏が続くおもしろい場所です。だからこそその空間を一変させて新しい表情を生み出してくれるほどの作品を期待しているのです。それはきっと彫刻家自身にとっても自らの新たな可能性を発見する機会となるはずです。
 一方でまた、審査員の意見が分かれたことは、今回の審査の公平さを示すものでもあると、ひそかに自負しています。さらに審査員の方々は、まだ屋外の大規模な作品の制作に慣れていないであろう新人彫刻家の応募に対して、その構造上の問題の解決策などを本当に親身になって審査の中で検討されました。
 次回のビエンナーレにも、ぜひ新人の彫刻家の方々に積極的に参加していただければと思います。
田中 修二 (ビエンナーレ事務局長・大分大学助教授)

審査委員会
■期日: 2006年3月19日(日) 14:00〜18:30
■審査員
<審査員>
当館館長
梅本 道生
<審査員>
日本大学
芸術学部教授

高橋 幸次
<審査員>
当館顧問
田中 日佐夫
<審査員>
美術評論家

藤嶋 俊會
 
<審査員>
彫刻家
峯田 敏郎
 
<審査員>
東京文化財研究所情報調査室長

山梨 絵美子
<審査員>
東京芸術大学
教授

山本 正道
  ※50音順、敬称略    
■応募総数: 40点(内3点辞退)
■審査方法:
  • 1次審査:各審査員が審査シートに推薦作品を3点選出。
  • 2次審査:推薦作品からさらに各集計後、各審査員協議の上、各賞を決定。審査員が2点選出。
  • 最終審査:集計後、各審査員協議の上、各賞を決定。
本コンクールの開催にあたりましては、関係各位より多大なるご支援ご協力をいただきました。あらためて心より感謝申し上げます。
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