展覧会

 

Exhibition

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西山翠嶂 -知られざる京都画壇の巨匠-

 

■概 要

 西山翠嶂(1879~1958)は、京都に生まれ、竹内栖鳳(1864~1942)に師事し絵画を学びました。内国勧業博覧会や官展などで入賞を重ね、画家としての確固とした地位を築き、京都市立美術工芸学校および同絵画専門学校の校長や官展の審査員などの要職を務めます。自身が主催した画塾・青甲社からは、堂本印象(1891~1975)、上村松篁(1902~2001)、秋野不矩(1908~2001)ら次代を担う画家たちを輩出しました。当時からその功績は高く評価され、京都で活躍した日本画家としては栖鳳、上村松園(1875~1949)に次いで三人目の文化勲章受章者となりました。栖鳳の娘婿でもあった翠嶂は、その後継者として、明治期後半から戦後にかけての京都日本画壇において最も重きをなした画家といえるでしょう。

 しかし、これほどに重要な画家でありながら、現在まで充分な評価と注目がされてきたとはいえません。このたびの展覧会は、海の見える杜美術館の所蔵する作品と資料を中心に、現存する官展出品作を加え、可能な限り彼の画業を見渡そうとする初めての試みです。特に、初公開となる、現在は本画を見ることのできない代表作品の大下絵(原寸大の草稿)の展示にご注目ください。

 本展は、翠嶂が多くの魅力あふれる作品を世に出したことを知っていただく貴重な機会となるでしょう。師の栖鳳から受け継いだ確かな筆技、写生の技術に加え、翠嶂自身が開拓した洗練されつつも情感豊かな画風と、花鳥や人物、風景などの多様な画題をお楽しみください。

 

■竹内栖鳳展示室

企画展「西山翠嶂 知られざる京都画壇の巨匠」の一部として、栖鳳、翠嶂、その弟子たちへと繋がる京都画壇の系譜を示す作品をご覧いただきます。

竹内栖鳳展示室はこちら

期  間:2018年10月27日(土) 〜 2019年1月14日(月・祝)

開館時間:10:00-17:00 (入館は16:30まで)

休 館 日:月曜日、11月11日(日)、12月25日(火)

     ただし12月24日(月・休)、1月14日(月・祝)は開館

入 館 料:一般¥1,000 高・大学生¥500 中学生以下無料

     *障がい者手帳などをお持ちの方は半額。

     *介添えの方は1名無料。20名以上の団体は各200円引き。

主  催:海の見える杜美術館(広島県廿日市市大野亀ヶ岡701)

後  援:広島県教育委員会、廿日市市教育委員会

 

【イベント情報】

*当館学芸員によるギャラリートーク

日 時 : 11月24日(土)、12月15日(土)、1月5日(土) 13:30~ 30分程度

会 場 : 海の見える杜美術館 展示室

聴講料 : 無料(入館料別途必要)

事前申し込み : 不要

【イベント情報】

*当館学芸員によるスライドレクチャー

西山翠嶂の人と芸術について、スライドを用いて詳しく解説します。

日 時:11月3日(土・祝) 13:30~ 1時間程度

会 場:海の見える杜美術館 講座室

聴講料:無料(入館料別途必要)

事前申し込み:不要

定 員:約20名

 

【お得情報】

*タクシー来館特典

タクシーでご来館の方、タクシー1台につき1名入館無料

(当館ご入場の際に当日のタクシー領収書を受付にご提示ください)

 

展示概要

 

第1章

『官展を中心とした展覧会での活躍  ―若手画家から画壇の重鎮へ―』

翠嶂は若い頃から、数々の公募展に出品し受賞を重ねました。1907年(明治40)、翠嶂28歳の時に文部省美術展覧会(通称文展)が開催されて以降、政府主催の展覧会を舞台に活躍します。画壇での地位を着実に築いていき、審査員という要職をつとめるまでになりました。年に一度開催されるこれらの官展には、翠嶂の作品の中でも特に力作が出品されました。現在は、その大半が散逸していますが、当館に残された大下絵から、彼がいかに優れた作品を世に出したかを伺い知ることができます。《廣寒宮》《短夜》《乍晴乍蔭》などの彼の代表作と下絵によって、若き青年画家から画壇の重鎮への翠嶂の歩みをご紹介いたします。

西山翠嶂《短夜》兵庫県立美術館蔵

西山翠嶂《乍晴乍陰》耕三寺博物館蔵

西山翠嶂《馬》京都市美術館蔵

西山翠嶂《採桑  大下絵》海の見える杜美術館蔵

西山翠嶂《落梅  大下絵》海の見える杜美術館蔵

 

第2章

『継承と展開  ―栖鳳からの影響と画風の形成―』

1892年(明治25)、13歳の翠嶂は、のちの京都の日本画の大家となる、当時まだ若手だった竹内栖鳳に師事します。若き日の翠嶂は、古画や栖鳳をはじめとする同時代の画家の作品の模写、写生を行いました。翠嶂作品の中でも初期のものと見られる《虎》は、動物を得意とした栖鳳の描き方に倣って描いています。しかし、のちに描かれた《三白》は、その影響を抜け、翠嶂作品の持ち味であるしっとりした情感をたたえた作品となっています。翠嶂は栖鳳だけでなく、洋画家・浅井忠に人体のデッサンを学びました。特に《相撲》は、画題を古画に取材しながら、人体の確かなデッサン力に支えられた名品です。栖鳳から受け継いだ画技とともに、翠嶂が開拓した個性とも言える、詩情豊かな画趣、みずみずしい色彩、息づかいをも感じさせる人物の表現をご覧ください。

西山翠嶂《日露戦争》海の見える杜美術館蔵

西山翠嶂《相撲》海の見える杜美術館蔵

西山翠嶂《虎》海の見える杜美術館蔵

西山翠嶂《三白》海の見える杜美術館蔵

西山翠嶂《女役者》

海の見える杜美術館蔵

 

第3章

『翠嶂をめぐる人々  ―竹杖会と青甲社―』

今回は竹内栖鳳展示室を企画展の第3章とし、翠嶂をめぐる画家たちの作品を展示いたします。翠嶂の師、竹内栖鳳は画塾・竹杖会で、翠嶂のほか多くの弟子を育てました。動物の作品を得意とした西村五雲、美人画の名手・上村松園、翠嶂、五雲とともに竹丈会の三羽烏といわれた井口華秋などです。翠嶂もまた、師と同じく、画塾・青甲社を主催し、多くの重要な画家を育てました。当時の青甲社は、研究会や展覧会などの活動を活発に行う、京都の美術の中でも抜きん出て注目を集める団体でした。中村大三郎、堂本印象、秋野不矩など、綺羅 星のごとく翠嶂のもとに集まった画家たちの作品をご覧ください。

竹内栖鳳《秋深・敗荷白鷺》

海の見える杜美術館蔵

樋口富麻呂《鳥芸の少女》

海の見える杜美術館蔵

井口華秋《舞踊》海の見える杜美術館蔵

森守明《椅子によれる子供》海の見える杜美術館蔵

中村大三郎《静思》海の見える杜美術館蔵