クリの花

6月に海杜を訪れると、あちらこちらの木の上の方に、白いフサフサをつけたクリの木が見えます。

20140620クリの花 (2)
奥の建物が海杜 右側の高い木がクリの木です。

若山牧水の歌が思わず頭をよぎります。
―水無月の 山越え来ればをちこちの 木の間に白く 栗の咲く見ゆ―

木の根元に立つと、大きく張った枝が日差しを柔らかくして包み込んでくれました。
やはり頭によぎるのは童謡唱歌「大きなクリの木の下で」です。
20140620クリの花 (3)

詩を広げると童謡のおおらかな世界にひきこまれました。
―大きな栗の木の下で 大きな夢を 大きく育てましょう 大きな栗の木の下で―
「大きな栗の木の下で」3番 作詞者不詳 訳詞 阪田寛夫。

遥か高みに見える花には近づけませんでしたので、落ちた花穂を撮影しました。
20140620クリの花 (4)
これは雄花です。この花穂の根元にあった雌花が木に残っていて今からイガが出てやがてあの栗の実になるはずです。

 

もりひこ

ナツメの花

美術館の入り口でいつもあいさつを交わすナツメの木。

20140620ナツメの花 (2)

近寄って見ると、葉っぱの付け根にたくさんの花を咲かせていました。

20140620ナツメの花 (1)
20140620ナツメの花

そういえばこんな歌がありましたね。

・あの子はだあれ だれでしょね なんなんなつめの 花の下
お人形さんと 遊んでる かわいい美代ちゃんじゃ ないでしょか

(作詞 細川雄太朗  作曲 海沼実  「あの子はたあれ」 1番の歌詞)

 

美術館入り口のナツメの木には被爆という戦争体験がありますが、この歌は戦時下という状況によって詩が変えられたという戦争経験があります。

“キングレコードでレコード化の際に、ディレクターの柳井尭夫が「戦時下に『泣く子』とはけしからん。『あの子』にしては?」と改作を申し出、そのほかの部分に至るまで、大幅な改作が行なわれました。” この改作のいきさつは、海沼実(實の孫)著『童謡 心に残る歌とその時代』(NHK出版、平成15年発行)に紹介してあります。さらに、柳井は以前に『仲よし小道』(三苫やすし作詞・河村光陽作曲)をヒットさせていたことから、縁起を担いで、原詩第一節の「ミーちゃん」(原詩の表記はミーチャン)を「みよちゃん」に変えました。第二節の「ユーちゃん」(原詩の表記はユーチャン)も、海沼と柳井にとって共通の友人で戦死した「内田憲二=けんちゃん」に変えます。<ウェッブ『池田小百合なっとく童謡・唱歌』による>

 

もりひこ

オカトラノオ

藪の中からオカトラノオが顔をのぞかせていました。
20140618オカトラノオ (1)

「岡虎の尾」という勇ましい名前ですが、花穂は小さな猫のしっぽぐらいの大きさです。
20140618オカトラノオ (2)

花は根元のほうから咲きはじめ、次第に開花が先端のほうへと移ります。
20140618オカトラノオ (3)

風に揺れている姿が猫じゃらしのようでした。

 

 

もりひこ

ヨウシュヤマゴボウ

ついこのあいだ地面から小さな芽が出たと思ったら、あっという間に1~2メートルの高さに成長して群れていました。

20140617ヨウシュヤマゴボウ (3)

枝の先には花穂がついています。

20140617ヨウシュヤマゴボウ (1)

20140617ヨウシュヤマゴボウ (2)

毒性があるので食べる事は出来ませんが、やがてブルーベリーのような黒く柔らかい実になります。
その果汁は美しい赤紫色をしているので昔は万年筆などのインクに用いられていたようで、英名は inkberryといいます。

 

もりひこ

ジブリアニメに出てきそうな切り株

ジブリアニメに出てきそうな切り株を見つけました。

20140615ジブリアニメに出てきそうな切り株  (1)

このような姿になるまで一体どれだけの年月がかかったのでしょうか。

これからも、人知を超えた造形が星霜とともに続けられることでしょう。

自然を大切にする、ご来館の皆様のご協力のおかげでこのような美しさが保たれています。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

 

もりひこ

ネズミモチ

小さな花が咲き始めました。
20140609ネズミモチ (16)

つぼみはマシュマロのようです。

20140609ネズミモチ
とてもかわいらしい花なのに、実が「ネズミの糞」に似ていることからネズミモチという名前がついたのだそうですが・・・。さすがにそれは今では見る事がないので確認はよしておきます。
20140609ネズミモチ

 

もりひこ

トベラ

開花の時季は、ジャスミンのような甘い香りがあたりを包みます。20140608トベラ (2)

ちょうど展示替え中に咲きはじめ、今は花の終わりを迎えています。
20140608トベラ (1)

枝葉を切ると発する悪臭を鬼よけとして、節分の時に扉に挟む地方があるといわれることもありますが、個人的には鬼よけ効果があるほどの臭気とは感じません。花から香る鮮烈な甘みを知ってしまうと、この木から受ける印象は花言葉の「慈しみ」「偏愛」、あるいは2月14日バレンタインデーの誕生花であることのほうがしっくりきました。

 

もりひこ

力強く成長する植物

2014068力強く成長する植物 (1)
岩の隙間を押し広げて成長を続ける松

2014068力強く成長する植物 (3)
岩の小さな穴から花を咲かせるツツジ

2014068力強く成長する植物 (2)
アスファルトの下から芽を出すナツメ

遊歩道で繰り広げられる力強い営みに、
勇気をもらうことがあります。

 

もりひこ

ソヨゴ

美術館から帰り道を歩いていると、遊歩道入口の左側に立っています。
うっそうと茂る大木だったのですが、剪定されてすっきりしました。

この木です↓
20140605ソヨゴ (4)

よく見ると、美しい緑色の葉のあいだから白い小さな花が顔をのぞかせています。
20140605ソヨゴ (2)

ソヨゴは雌雄異株ですが、この木は雌株のようですね、花にめしべがついています。
20140605ソヨゴ (3)

花の大きさはおよそ5ミリ。小雨けぶるなか可憐に揺れていました。

 

もりひこ

タンポポ

20140604タンポポ (3)
今にも飛び立ちそうな種があったので、夢中で撮影しました。

風が吹くのをすこし待ちましたが、飛びたちませんでした。
6月7日から開催の「仏と神のすがた」展がはじまっても、綿帽子いっぱいのタンポポをご覧いただけるでしょうか。ご来館の際はちょっと探してみてください。

20140604タンポポ (1)

杜の遊歩道にはいろいろなタンポポがあります。

 

もりひこ