ナリヒラダケ(業平竹)と《若竹図》 谷口香嶠

20160626 ナリヒラダケ(業平竹) (1)
ナリヒラダケ(業平竹)の若竹が
梅林の塀を越えて伸びていました
20160626 ナリヒラダケ(業平竹) (2)
パステルカラーのような緑と黄のコントラストが鮮やかで
竹の種類は違いますが
右隻部分
ふと《若竹図》 谷口香嶠 1909年(明治42)六曲一双屏風
(海の見える杜美術館蔵) を連想してしまいました
20160626若竹図(右)谷口香嶠右隻
20160626若竹図(左)谷口香嶠左隻

もりひこ

ナワシロイチゴ(苗代苺)の実 ヤマモモ(山桃)の実

ナワシロイチゴの実が生りました
20160626ナワシロイチゴ(苗代苺)の実
野性味あふれる甘酸っぱい果実です

ナワシロイチゴの名前の由来は お米の苗(ナエ)を作る 苗代(ナワシロ)の時期に花咲き実がなることと関係があるようです
2016年5月ナワシロイチゴの花

ヤマモモの実は今年も豊作です
20160626 ヤマモモ(山桃)の実
2015年4月ヤマモモの花

もりひこ

テイカカズラ(定家葛)の花

20160605テイカカズラ(定家葛)の花 (2)
風車のように花びらを曲げた白い花が

20160605テイカカズラ(定家葛)の花 (3)
高い木々の上に群生していました

20160605テイカカズラ(定家葛)の花 (1)
ネジキによじ登ったテイカカズラです

20160605テイカカズラ(定家葛)の花 (4)
テイカカズラの花のあいだに
白く小さなネジキの花が見えます

20160605テイカカズラ(定家葛)の花 (5)
名前の通りねじれて伸びるネジキの幹に
這って伸びるテイカカズラの幹

もりひこ

方言の研究 広島弁と新潟弁 ナ行の感声文末詞 

図書の整理をしていると、ガリ版刷りのレタリング書体が昔懐かしい、とても心惹かれる表紙が目につきました。タイトルは『方言の研究』第三号第一冊。1971年(昭和46)に新潟大学教育学部国語研究室内、新潟大学方言研究会から出版された個人論文集でした。俄然興味をそそられ、思わずページを捲ってしまいました。

20160604方言の研究 広島弁と新潟弁 ナ行の感声文末詞 (1)

丁寧にフィールド調査を行い、多くの言葉の事例を集め、詳細に分類検証されていました。

面白い・・・。

海の見える杜美術館が所在する広島の方言、広島弁文末の「の」のような事例が書かれていました。

和田初栄「新潟県北魚沼郡小出地方の文末詞 ―ナ行の感声文末詞について―」から、一部抜粋してみます。

20160604方言の研究 広島弁と新潟弁 ナ行の感声文末詞 (2)

二、ナ行の感声文末詞
(3)、「ノ(-)」

「ノ」はいろいろの文末詞と結合して用いられており、頻繁に、特色的に使われている文末詞であり、したがって意味も多様である。

1疑問の意を丁寧に表す
○ナニ ショッペーン クッタロ ノー。(どんな塩からいのを食べたんだろうね。)〈中・女→青・女〉
(中略)
2勧誘、依頼の意を丁寧に表す
○アシタ コン カ ノ(明日来ませんか。)〈中・女→青・女〉
(中略)
3感動、詠嘆を表す
(中略)
○イー ノー。(いいですねえ。)〈中・女→中・女〉
(中略)
4呼びかけの意を表す
(中略)
○ラーメン コー テー。 ノー。(ラーメン食べようよう。ねえ。)〈少・女→中・女〉
(中略)
5念を押す意を表す
○アコン ショト オンナジダ ゼ ノ。(あそこの衆と同じだね。) 〈老・女→中・女〉

「の」の使い方の分類を細かく上げた後、発音の仕方や使用方法もさらに例示して、言葉の品位の上下や、話者の間柄など細かく分析されていました。

以上は新潟県北魚沼郡小出地方の方言の研究ではありますが、冒頭に書きましたように広島でも語尾に「の」をよく聞きます。そのように思いをもちながら論文を読み進んでいると、ちゃんと記してありました。

三 おわりに
「ナ」は近畿四国の方言の特色的なものであり、「ネ」は関東系のものであるという。また「ノ」は中国地方にもいちじるしく存するらしい。

はい、「らしい」ではなく、間違いなく存しています。論文が記された1971年から45年たった今でも、中国地方の広島にはいちじるしく存しています。

言語学者の皆様の間ではきっと普通に行われている分類研究なのかもしれませんが、普段使いの何気ない言葉がこのように分析されると、改めて意識させられるものですね。今回は語尾「の」との新鮮な出会いとなり、これからも「の」を大切に意識していきたいと思いました。

さち

青木隆幸