年末のご挨拶

クリスマスも過ぎ

今年も残すところあと4日です!早いですね〜!

今年一年間、杜の遊歩道に訪れてくださった方、
ブログを見てくださった方、本当にありがとうございました!

来年も綺麗な花の写真を更新していきますので、
今後ともよろしくお願いします!

来年も良い年となりますよう祈りを込めて本日の一枚。
20151226 年末挨拶。-1
ナンテンは難を転じて福にするといわれる縁起の良い木です。
それでは皆さん良いお年を!

N.T

屏風を作りました

今までのブログでもご紹介してきたように、当美術館は、自分たちで作れるものは自分たちで作ろう、というスタンスです。

いつものように、学芸の森下さんから依頼がありました。

森 下 :ちょっと看板がいるので、下地になる屏風を作ってくれる? 予算を使わずに。

うみひこ:  ・・・ 。  テープは買っていいですか?

 

廃材のコンパネと、ガラス繊維入りのテープを使って屏風を作ることにしました。
20151219屏風を作りました (11)

テープを3センチの長さに切って、
20151219屏風を作りました (1)

2枚のテープをつないで、
20151219屏風を作りました (2)

こんなふうに貼りました。
20151219屏風を作りました (10)
20151219屏風を作りました (4)

次々と貼りました。
20151219屏風を作りました (6)

どちらにも自在に動く蝶番のできあがり。
20151219屏風を作りました (5)

 

完成。
20151219屏風を作りました (8)

どんな形も自由自在です。
20151219屏風を作りました (9)

屏風に使われている昔ながらの技法です。

詳しくは「紙蝶番」で検索してみて下さい。

 

うみひこ

 

引札の技法はハイブリッド!

引札とは、無料で配られる広告、いわゆるチラシのことです。

多くは木版やリトグラフの技術を用いて印刷されているのですが、中にはエッチングや空摺りを織り交ぜているものもあります。

このたびは、私、さちの心に残ったおよそ100年前の引札の技術を、当館の所蔵品の中から少しご紹介いたします。

まずは、紙に凹凸をつける空摺りの技法が用いられた引札から。

横から光を当てると、このように模様が浮かび上がります。

1、白龍、酒樽、菊の花に注目 20151215引札の技法はハイブリッド? 雲に白龍 酒樽の列 菊花に杯 有功賞 商標 延年  酒類販売所  森野安次郎 空摺り

2、盛り上がる花びら
20151215引札の技法はハイブリッド? 流水 水辺の白菊と添え木  石油正種油商 かぜねつ病一切の妙薬 海内無双 橋本散 大阪和田政吉監製 代理店  二宮豊治 空摺り

3、ツルの羽の描写
20151215引札の技法はハイブリッド? 旭日 流水 梅花に双鶴と鶴の子1羽  酒塩醤油薪炭商 沢本商店 空摺り

4、鷹の全身、足先まで空摺り
20151215引札の技法はハイブリッド? 旭日 金雲 雪中松に温め鳥  米商  米卯事 三牧卯兵衛 空摺り

5、ウサギの毛並みが見事
20151215引札の技法はハイブリッド? 扁額  旭日 番の兎と3匹の子兎に藪柑子(十両)  和洋諸傘提灯商 並に 直し物仕候  いくよ 空摺り

 

ここから先は空摺り以外の工夫です。

6、髪は二種類の異なる黒インクで表現
20151215引札の技法はハイブリッド? 旭日 松竹梅に羽子板を持つ美人  万荒物砂糖掛物文具 履物塩魚乾物売薬  荒□商号 くすりや  中井商店-3

7、小さなドットでグラデーション
20151215引札の技法はハイブリッド? 陣営の恵比寿大黒 財宝積む馬をひく福助  呉服洋反物商  青砥仙太郎-3

8、一ミリの間に線が5本も!
20151215引札の技法はハイブリッド? 賞状柄  旭日 瑞雲 鶴亀 松   木綿商 諸太物仕入所 金巾染地類 各国縞絣類 染手拭風呂敷  安盛善兵衛-2

 

いかがでしょうか。

たかがチラシ、されどチラシ。

江戸時代の浮世絵版画から脈々とつながる心意気を感じます。

 

さち

青木隆幸

 

1、
20151215引札の技法はハイブリッド? 雲に白龍 酒樽の列 菊花に杯 有功賞 商標 延年  酒類販売所  森野安次郎
《雲に白龍 酒樽の列》26.4×37.1cm

読み:
(有功賞)商標 延年
酒類販売所
愛知郡字石橋
(角 吉)森野安次郎

 

2、
20151215引札の技法はハイブリッド? 流水 水辺の白菊と添え木  石油正種油商 かぜねつ病一切の妙薬 海内無双 橋本散 大阪和田政吉監製 代理店  二宮豊治
《流水 水辺の白菊と添え木》25.4×37.8 cm

読み:
石油正種油商
かぜねつ病一切の妙薬 海内無双 橋本散
大阪和田政吉監製
鳥取市若桜町 代理店 二宮豊治

 

3、
20151215引札の技法はハイブリッド? 旭日 流水 梅花に双鶴と鶴の子1羽  酒塩醤油薪炭商 沢本商店
《旭日 流水 梅花に双鶴と鶴の子1羽》26.0×37.3cm

読み:
酒塩醤油薪炭商
京都東山通新南
商號 鍵學 澤本商店

 

4、
20151215引札の技法はハイブリッド? 旭日 金雲 雪中松に温め鳥  米商  米卯事 三牧卯兵衛
《旭日 金雲 雪中松に温め鳥》25.5×36.3 cm

読み:
米商
京都市佛光寺通富小路東入
米卯事 三牧卯兵衛

 

5、
20151215引札の技法はハイブリッド? 扁額  旭日 番の兎と3匹の子兎に藪柑子(十両)  和洋諸傘提灯商 並に 直し物仕候  いくよ
《扁額 旭日 番の兎と3匹の子兎に藪柑子(十両)》25.8×37.3 cm

読み:
和洋諸傘提灯商
並ニ 直し物仕候
大阪市南區安堂寺橋西詰
いくよ(手提提灯 入)

 

6、
20151215引札の技法はハイブリッド? 旭日 松竹梅に羽子板を持つ美人  万荒物砂糖掛物文具 履物塩魚乾物売薬  荒□商号 くすりや  中井商店
《旭日 松竹梅に羽子板を持つ美人》25.8×37.7 cm

読み:
萬荒物砂糖掛物文具
履物塩魚乾物賣薬
荒□
商号 くすりや
(山 久)中井商店

 

7、
20151215引札の技法はハイブリッド? 陣営の恵比寿大黒 財宝積む馬をひく福助  呉服洋反物商  青砥仙太郎
《陣営の恵比寿大黒 財宝積む馬をひく福助》26.3×38.0 cm

読み:
呉服洋反物商
大原郡大東町
(入山 ア)青砥仙太郎

 

8、
20151215引札の技法はハイブリッド? 賞状柄  旭日 瑞雲 鶴亀 松   木綿商 諸太物仕入所 金巾染地類 各国縞絣類 染手拭風呂敷  安盛善兵衛
《賞状柄 旭日 瑞雲 鶴亀 松》23.5×32.1cm

読み:
木綿商
諸太物仕入所
金巾染地類
各國縞纃類
染手拭風呂敷
右之品直段出極相働調進仕候間
不限多少ニ御用向之程奉希上候也
京都あけず松原南へ入
(丸 安)安盛善兵衛

 

遅咲きの紅葉

12月もいつの間にやらもう半ばです。

杜の遊歩道のひょうたん池では

遅咲きのモミジが真っ赤に染まった葉をまだつけています。

この葉が落ちる頃には2015年も終わっていそうですね。

今日の一枚。
20151213 遅咲きの紅葉

 

N.T

裸木の造形美

11月も終わりに近づき

杜の遊歩道の木々たちの落葉も進む。

裸木となるものもちらほら現れ

冬の到来を告げてくれています。

「枯れ木も山の賑わい」というが

木々にとっては 腑に落ちない言葉だと思う。

木々の幹ひとつひとつに 異なる造形があり

奥深い美的な景観には 見事というほかはない。

今日の一枚。
20151124 裸木の造形美

N.T

秋の深まり

杜の遊歩道も秋が深まり 落葉樹は染まった葉を 少しずつ落とし始めました。

樹に残っている葉は単色で美しく

地の上に散った葉は 異なる色の葉と混じり合い なお一層美しい。

自然界の彩りは 互いの色を常に引き立て合っていました。

自然を愛でていると なんだか色彩感覚が養われそうです。

今日の一枚。
20151112 秋の深まり

N.T

名古屋 美術館めぐり②

前回の記事に続いて、名古屋の美術館に行った感想です。
「展覧会の紹介なのに記事にするのが遅すぎる」という(内部からの)野次が飛んできています。
私もまったくもってそう思います。この記事で紹介させていただく展覧会、一ヶ月以上前に終わってますからね。我ながらひどいもんですよ。でも書きますよぉ!

「芸術植物園」、こちらは10月3日まで愛知県美術館にて開催されていた展覧会です。

図録も素敵!フォントやイラストがおしゃれだ~。

ブロ原稿20151105 名古屋 美術館めぐり㈪−1ブログ原稿20151105 名古屋 美術館めぐり㈪−2
このページにある、ロバート・ジョン・ソーントン編《フローラの神殿》(町田国際版画美術館蔵)を一度見てみたかったのです。これは、博物学者リンネの植物の分類学に感銘を受けたソーントンが編集して世に出した植物図版集です。1798~1807年に初版が刊行されました。
植物の姿は博物学的知識に忠実に描かれていますが、背景(そもそも背景がある植物画も珍しいのですが)は古城や異国風の建物など、その植物が生えている環境とはほぼ無関係な場面。キューピッドがいる絵もあります。これらの絵には植物学的な解説に加えてその植物にまつわる神話や詩もついていたとのこと。学問と幻想の融合ですね。いくら見ても見飽きない、この美しい豪華な図版集を当時手にすることができた人は幸せだっただろうと思います。ウィキペディアで調べた限りですと、ソーントン自身は出版の資金繰りに苦労した上に破産して極貧の中亡くなったようですが。
展示では、壁一面にこれらがずらーっと並んでいました。一枚一枚が結構大きくて迫力ありました。見ることができて本当によかったです。

ブログ原稿20151105 名古屋 美術館めぐり㈪−3
こちら私は初めて知りましたが、五百城文哉(いおきぶんさい)という画家が描いた明治期の作品《百花百草図》(栃木県立美術館蔵)。縦140センチを越える大きな作品です。この生々しい風景や植物を描いた作品が、油絵ではなく、絹地に水彩で描かれています。軸装されている作品です。こんな絵が描かれていたなんて、明治という時代は奥が深いなぁと思いました。小杉放庵記念日光美術館で今まで何度かこの画家の展覧会を開催していらっしゃるようですね。

他にも、現代の作家の方の作品、古い植物図譜、日本画洋画、ありとあらゆる植物の芸術があっていろんな刺激があり、最初から最後までずっと楽しかったです!見終わったときはまるで植物園の中を歩いた後のようなすがすがしさ。

展示室を出ると、こんなかわいらしいスペースがあって、
ブログ原稿20151105 名古屋 美術館めぐり㈪−4
色々な参加型のプログラムが用意されていました。
大人もOKとのことでしたので、せっかくなので参加させていただきました。

ブログ原稿20151105 名古屋 美術館めぐり㈪−5
色々な素材を組み合わせて、自分で架空の植物を作る「新種植物押葉記録」。
自由に作っていいにも関わらず、いわゆるお花のかたちから抜け出ることができず…私の頭からはこれが限界でした。植物名「ホウショクノジダイデス」、一応食虫植物で手に似た葉で積極的に虫を捕まえるという設定です。名前に特に意味はありません。適当につけました。

強行軍での美術鑑賞とはなりましたが、この2つの展覧会から、とてもいい刺激いただきました。遅筆なのでブログでのご紹介がいつも遅れるのですが、今後もここでこっそり色々展覧会を紹介させていただきますね。

それでは!