引札とは、無料で配られる広告、いわゆるチラシのことです。
多くは木版やリトグラフの技術を用いて印刷されているのですが、中にはエッチングや空摺りを織り交ぜているものもあります。
このたびは、私、さちの心に残ったおよそ100年前の引札の技術を、当館の所蔵品の中から少しご紹介いたします。
まずは、紙に凹凸をつける空摺りの技法が用いられた引札から。
横から光を当てると、このように模様が浮かび上がります。
ここから先は空摺り以外の工夫です。
いかがでしょうか。
たかがチラシ、されどチラシ。
江戸時代の浮世絵版画から脈々とつながる心意気を感じます。
さち
青木隆幸
読み:
(有功賞)商標 延年
酒類販売所
愛知郡字石橋
(角 吉)森野安次郎
読み:
石油正種油商
かぜねつ病一切の妙薬 海内無双 橋本散
大阪和田政吉監製
鳥取市若桜町 代理店 二宮豊治
3、
《旭日 流水 梅花に双鶴と鶴の子1羽》26.0×37.3cm
読み:
酒塩醤油薪炭商
京都東山通新南
商號 鍵學 澤本商店
4、
《旭日 金雲 雪中松に温め鳥》25.5×36.3 cm
読み:
米商
京都市佛光寺通富小路東入
米卯事 三牧卯兵衛
5、
《扁額 旭日 番の兎と3匹の子兎に藪柑子(十両)》25.8×37.3 cm
読み:
和洋諸傘提灯商
並ニ 直し物仕候
大阪市南區安堂寺橋西詰
いくよ(手提提灯 入)
6、
《旭日 松竹梅に羽子板を持つ美人》25.8×37.7 cm
読み:
萬荒物砂糖掛物文具
履物塩魚乾物賣薬
荒□
商号 くすりや
(山 久)中井商店
7、
《陣営の恵比寿大黒 財宝積む馬をひく福助》26.3×38.0 cm
読み:
呉服洋反物商
大原郡大東町
(入山 ア)青砥仙太郎
8、
《賞状柄 旭日 瑞雲 鶴亀 松》23.5×32.1cm
読み:
木綿商
諸太物仕入所
金巾染地類
各國縞纃類
染手拭風呂敷
右之品直段出極相働調進仕候間
不限多少ニ御用向之程奉希上候也
京都あけず松原南へ入
(丸 安)安盛善兵衛