絵巻は、1000年以上前から日本で愛されているエンターテイメントだと思います。
右から左にまいていくと、詞書と場面とが目くるめく世界を繰り広げてくれるのです。まるで映画を見ているようです。
近頃では、漫画の始まりだとかいろいろ言われることもあるようですが、昔の人がどんな風に絵巻を楽しんだのか、仮想体験できるかなと、ちょっとパワーポイントで作ってみました。
そしたら思いのほか楽しくて・・・。
八幡宮縁起(はちまんぐうえんぎ)
絵巻 一巻
大永七年(1527) 写
箱題「八幡大神宮縁起絵巻」
Hachimangu-engi
八幡大菩薩は、第15代応神天皇のことである。母である神功皇后が新羅などを討つために九州へ向かったとき、白髪の老翁があらわれ、皇后に付き従うことになる。皇后は、腹の中の皇子に帰朝するまで生まれぬように言い含め、新羅を討ち従えた後、筑前宇佐の宮で12月14日に誕生した。その後、応神天皇は、豊前国宇佐郡で出家し、そこを正覚寺といった。大菩薩の本地は自在王菩薩である。
本図は八幡大菩薩の縁起絵巻である。類書に『神功皇后縁起』がある。鎌倉時代末期制作という絵巻や、室町時代制作という絵巻が複数現存している。本書は、片仮名交じりの古絵巻。本文には、罫線が引かれる。末尾に、「吉安」「大永七」と記される。また、「淡路島 浜天神宮旧蔵」と箱書きに見える。寺社の縁起絵巻には、年号や制作者が記されることが多い。
(「物語絵 ―奈良絵本と絵巻に見る古人のこころ―」展 図録解説より)
この動画は2013年の展覧会「信仰と美術Ⅰ」海の見える杜美術館展示会場で使用しました。
うみひこ