以前もご紹介しました通り、海の見える杜美術館では、東京芸術大学の研究チームのみなさんと、長い時間をかけて、作品に使われている紙や絵の具の調査分析をしています。
今回は、
という、やたら難しい名前の、とても精密な分析機器を美術館に持ち込んで調査をしました。全部合わせると立派な家が建つくらい、高価な機械だそうです。
これで何を調べるかというと、
①のXRFは、とても弱いエックス線を当てて、反射してくるエネルギーを測り、どのような元素が作品にあるのか大まかに判断します。1つのポイントを計測するのに1分ぐらいかかります。
②のXRDFは、エックス線を当てる角度を何十回も変えて照射して、その反射してくるエネルギーを測るので、1つのポイントを計測するのに約30分もかかります。これで元素と原子の並びが分かるそうです。
③のFTIRは、赤外線を物質にあてて、反射パターンの特徴を読み取って物質を特定します。
これまで、紙の繊維や絵の具の粒子の拡大撮影、赤外線撮影、紫外線撮影もしています。これから、科学の目でみたデーターを全部合わせて分析します。気の遠くなるような作業ですが、紙や絵の具などについて、わからなかったことが分かるようになり(それでもわからない材料もあります!)、作品の制作地、制作年代、制作技法など謎の解明につながるかもしれません。
結果が出たら、またご案内します。
写真右から、木島隆康先生、桐野文良先生、塚田全彦先生、大久保早希子先生、ここには写っていませんが半田昌規先生。丸3日間、部屋にこもりっきりで調査にあたりました。
おつかれ様でした。そしてこれからよろしくお願いします。
うみひこ